花折

小川紳介監督の『1000年刻みの日時計』を
ちょうど8年ぶりに鑑賞。
時間が経つとまた観たくなる、匂いや感触、
身体性を持ったとてつもない作品だなあと改めて驚き。
人間が作り出した「モノ」と、それを作ったり使う人の「心」を
カメラは静かに捉えていて。
次は何年後になるのか、再鑑賞が楽しみ。
同監督の『ニッポン国古屋敷村』、こちらは念願の初鑑賞。
牧野村の炭焼職人の方が、「人は何かに仕えなければいけないもの、
であるなら人に仕えるより炭窯に仕えたい」と語っていたのが
印象的。言葉と、それを放つ人、放たれる空間の関係性が
丁寧に記録されていてあっという間の210分でした。
松濤美術館で開催中の「牛島憲之 至高なる静謐」展も、
被写体と、それに感じ入る画家の気持ちの行き来が描かれていて、
とても面白かったです。
島尾敏雄の小説の夢のような、ぼんやりとした安らぎと不安が
同居した世界。
| 日記 | 08:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑