峠の犬

所用あり、峠から峠を移動していました。
するとある林道で、見知らぬ犬が突然走り出し…。
猛スピードで走り続ける犬に導かれるように辿り着いた
場所は、タルコフスキーの『ストーカー』のような世界でした。

以前に富士山で猛烈に強い犬と遭遇したことがあるので
シバとはいえ侮れぬと思ってましたが、なぜかその後犬が現れることはなく。
雨露に濡れた草むらを掻き分け登り、まるで爆破されて滅んだ神殿のような
遺構を見ました。


戦中に弾圧・破壊された出口王仁三郎の「大本」総本山、
ひいてはそれをモデルにした高橋和己の小説『邪宗門』の終盤を
想起し、圧倒させられた次第です。
それにしても、この廃墟の横にスキー場をしれっと作る(それも廃墟化)
バブルの浮かれ様とは、途方もないものだったようです。

立ち寄った日暮れの湖にてもパシャリ。
これらの場所とは何の関係もないのですが、
来週はスタッフとして某撮影に参加します。
ジャンルは違えど、監督・出演者ともに表現者として
大きく世界に羽ばたいている人たちなので、
刺激になること、汲み取り学べることが沢山ありそうです。
監督いわく『砂の女』のごとき状況となりそうなのですが、
埋もれないよう、どうにか頑張りたいものです。
また折を見て書きます。
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